シュガー・ブルース
第3子妊娠中に妊娠糖尿病を告げられたチェコ共和国出身のドキュメンタリー映画作家が、
家族と共に脱砂糖、砂糖業界のタブーに挑む5年間のドキュメント「シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ」を鑑賞。

胎児への影響の不安にかられながら生活から砂糖取り除くことの困難さを感じ、
その背景にある砂糖業界と医療関係者、政治家ら一体となった砂糖業界の闇が見えてきます。
2015年世界保機構(WHO)は1日の摂取カロリーに砂糖等の糖類が占める割合を5%未満に抑えるようガイドラインを発表。
平均的な大人の場合、総摂取カロリーの5%に相当する砂糖は25g=ティースプーン6杯分。
ティスプーン6杯分の糖類って多いと思いますか、それとも少ない?
ご自分の食生活と照らし合わせてみるとどうでしょうか?
ナチュラルハイジーンやローフードを意識している方なら果糖の量、いかがでしょう。
プラントベースだからと言って白米やパン、米粉パンの糖質も気になりますよね。
ロースイーツだって然りです。
ちなみに一般的な炭酸飲料1缶分に含まれている砂糖は約40gだそう。ちょっと喉乾いたから飲んじゃおうって手に取ったジュースや、健康飲料、カフェの甘いドリンクはあっと言う間にガイドラインの量を突破してしまう。
そしてなかなか脱砂糖をできない理由にあまりに多くの便利な時短商品、レトルト・加工食品に砂糖が使われています。
シリアル、コーンフレーク、ドレッシング、パンケーキミックス、混ぜるだけ系の調味料。
お菓子は食べていなくてもこうしたものから砂糖は摂っているんですよね。
WHOも言うように「摂取される砂糖の大半は菓子とは普通みなされないような加工食品に隠されている」というのは以前観たドキュメント「あまくない砂糖の話」でもよく分かります。
こちらは今回の映画とは真逆で監督自ら砂糖を1日160g(ティースプーン40杯!!)摂って体調の変化を記録したもの。
いかに簡単に糖質が摂れて期待通り太り、内蔵や特に精神面に支障が出るかがよくわかり内容でした。
なぜこうしたものが世の中から無くならないのか。
ドキュメントでは、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ3大陸8カ国を巡り、科学者や研究者・医師・糖尿病の患者・健康食を推奨する人たち、政治家・食品関係のジャーナリストや弁護士・砂糖業界の関係者らに監督自らインタビューしています。
前者は砂糖が心身に及ぼす影響や、ヴィーガン、プラントベースフードの素晴らしさを再認識させてくれます。後者のインタビューでは何故無くならないのか、食べたくなって買ってしまうのかがよくわかります。
これ日本でも売ってる〜というお菓子をつくった人に言わせると虜にさせ、買わせているんですね。
そうなるような味、材料を使っているのです。
私も以前はまさに虜になっていた商品が多々ありましたし、今でも市販のお菓子を食べる事がありますが事実を知ってからはそれを連続で買い続けるということはありません。
ドキュメントでもあったように徹底的に砂糖を排除して、いつでも手作りの食事というのは家族の協力が必要だったり、限界やストレスを感じることもあります。
それでも家族や自分自身の心と体の健康と安定、安全を守れるなら砂糖について「知る」、脱砂糖を「試し」、それらをできるだけ求めない意識を持つことは私たちにでもできることですね。